
© Maxim Hopman / Unsplash
2026年2月11日、TexasのApptronikはシリーズAの延長ラウンドで$5.2億を追加調達し、シリーズA総額を$9.35億に積み上げた。累計調達額は約$10億に達する。Google・Mercedes-Benz・B Capitalといった既存投資家に加え、AT&T Ventures・John Deere・カタール投資庁(QIA)が新規参加。Apolloは現在Mercedes-Benz工場とGXO物流センターでパイロット稼働中で、2026年内の商用量産開始を目標とする。
2026年2月11日、ヒューマノイドロボット開発のApptronik(テキサス州オースティン)は、シリーズA延長ラウンドとして$5.2億の追加調達を完了したと発表した。この追加分により、シリーズA合計は$9.35億に達し、累計調達総額は約$10億になった。
注目すべきは新規投資家の顔ぶれだ。AT&T Ventures(通信大手)、John Deere(農業・建設機械大手)、カタール投資庁(主権ファンド)の三者が今回初めて参加した。これはApptronikへの資本が「テック系VC」から「産業大手のコーポレートVC・政府系ファンド」へ拡大したことを意味する。
Apptronikが開発するApolloは身長173cm・重量73kg・ペイロード25kgの二足歩行型ヒューマノイドだ。バッテリー稼働時間は約4時間で、ホットスワップ方式のバッテリー交換に対応する。製造・物流を主なターゲットとして設計されており、アームの可動域と力出力が産業現場でのマテハン作業に最適化されている。
Google DeepMindのGemini Roboticsパートナーとしても名を連ねており、LLMベースの自然言語指示への対応が統合される予定だ(別記事参照)。
現在、ApptronikはMercedes-Benzの欧州複数工場でApolloを試験投入している。Apptronikによると、主要ターゲットは「組立補助・マテハン」の三カテゴリで、コンポーネントの受け渡し、部品棚からのフェッチ、作業台間の搬送が含まれる。
GXO Logisticsとのパイロットでは物流センターでのピッキング業務を担当しており、Agility DigitのGXO事例と同一企業での比較が可能な状況だ(別記事参照)。ifactoryapp.comの報道では「Mercedes-Benzはパイロット中の機体が2027年に商用量産で届けられると確信している」と報じられている。
今回調達した$5.2億の使途はApptronikによると「Apollo量産のための製造能力増強」「商用・パイロット展開の拡大」「ロボット訓練とデータ収集のための新施設整備」と明示されている。
商用量産は2026年内開始を目標としているが、外部顧客への本格提供は2027年が現実的と見られる。現在パイロット実施中のMercedes-BenzとGXOが最初の商用顧客になる可能性が高い。
John DeereとAT&Tが参加した背景に注目する価値がある。
John Deere:農業・建設機械は収穫・作付け・測量など多様な屋外タスクを持つ。Apolloの汎用性が農機への適用を想定させる——人型ではなく「人間と同じ操作インターフェースを持つ機体」がトラクターや建機を操作するシナリオが研究されている可能性がある。
AT&T Ventures:通信インフラ保守(電柱・配線・鉄塔の点検・修理)は人員確保が困難なタスクの典型だ。ヒューマノイドが通信設備保守に使われれば、日本のNTT・KDDI・ソフトバンクにとっても参照できるユースケースになる。
Apptronikは日本国内の代理店・保守体制を現時点(2026年6月)では公表していない(要確認)。ただしApolloは既に国際的な関心を集めており、日本への参入を検討していると示唆するシグナルも出ていると言われるが、正式な発表はない。
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