2026年6月10日、Caixin Globalが中国工業情報化部(MIIT)と国有資産監督管理委員会(SASAC)が合同で発令した指令を報じた。2026年末までに1万台超のヒューマノイドロボットを商用展開し、100以上の高付加価値活用シナリオを創出することを目標に定め、地方政府・国有企業に6月末までの実施計画提出を義務付けた。
2026年6月10日、Caixin Globalは中国工業情報化部(MIIT)と国有資産監督管理委員会(SASAC)が連名で発令した指令を報じた。この指令は「体現AI(Embodied AI)の実産業への加速導入」を目標に掲げ、ヒューマノイドロボットの商用展開について具体的な数値目標と期限を設定している。
数値目標
スケジュール
通常、産業政策の指令はMIITが単独で発令することが多い。今回の指令にSASAC(国有資産監督管理委員会)が加わったことは、国有企業が積極的な展開主体として位置付けられていることを示す。中国の国有企業は製造・物流・エネルギー・インフラ等の主要産業を担っており、SASACの参加は「政策目標の実施を推進する主体」が明確になったことを意味する。
指令が明示した適用業種は製造、倉庫・物流、小売、医療・介護、職場安全・設備検査、保守・点検、緊急対応・災害救助に及ぶ。eWeekの報道によると、北京発のRoboteraがChina PostとSF Holdingの10以上の物流センターにヒューマノイドを展開済みであることが、この指令の具体的な先行事例として言及されている。
指令に含まれるRaaS(Robot as a Service)支援策は、「初期調達コストの高さ」という普及障壁を低減するための制度設計だ。企業が機体を購入するのではなく、稼働量・時間・成果に応じた利用料を払うモデルを制度的に後押しすることで、中小企業・地方国有企業が導入に踏み切りやすくする意図がある。
政策主導の量産加速は、日本向け中国製ヒューマノイドの「供給量・価格・技術水準」を今後1〜2年で大きく変える可能性がある。重要な評価軸は2つだ。
第一に「量産された機体が産業現場で実際に機能するかどうか」。政策目標としての「1万台」は導入台数の上限ではなく下限目標に近い。実稼働・KPI達成率のデータが出揃う2026年末〜2027年初に、真の実用水準が見えてくる。
第二に「日本の規制・安全基準との適合」。中国の指令で設定された活用シナリオが日本の安全規制(労安法・機械安全規格)に合致するとは限らない。日本での展開には追加の安全適合プロセスが必要になる可能性が高い。
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