
© RuinDig / Wikimedia Commons (CC BY 4.0)
Unitree Roboticsを、研究・教育・初期PoCの調達候補としてどう評価すべきか。価格、供給力、実装段階、日本の窓口を分けて整理する。
Unitree Robotics(宇樹科技)は、2016年に中国・杭州で設立されたロボットメーカーである。事業は四足歩行ロボット、人型ロボット、モーター・減速機・LiDARなどのロボット部品の3本柱で、四足歩行ロボットでは世界シェア60%超とされる。人型はこの会社にとって実験ではなくすでに主力であり、2025年1〜9月期には売上の約52%を人型が占めた。
競争軸は一貫して価格である。中核アルゴリズムからモーターなどのコア部品までを自社でつくり、四足と人型で関節制御・機械構造・バッテリー管理を共用することで、値下げを続けても利益が出る原価構造を保っている(2025年1〜9月期の粗利率は約6割)。
規模を示す数字としては、2025年に四足歩行ロボット1万8,000台超、人型5,500台を販売した。低価格で実機を入手しやすい量産メーカーであり、研究・教育・開発用途の調達で最初に名前が挙がる存在といえる。
ヒューマノイドはR1、G1、H1・H2の3系統で構成される。R1系は小型・低価格の入門機、G1系は研究・開発の標準機、H1・H2系はフルサイズ機で、H2 PlusはNVIDIAとの協業で発表されたAI開発プラットフォームとしてH2とは構成と価格帯が異なる。人型のほかに四足歩行ロボットのGoシリーズとロボット部品も販売している。
いずれの系統も公式価格が公開されており、R1 AIRは$4,900〜、G1は$13,500〜、H2は$29,900〜と初期導入コストを見積もりやすい。内製による原価低減をそのまま販売価格に反映する値付けで、この価格は本体の目安のため税・送料・国内での保守や開発支援の費用は含まない。
Unitreeの事業は四足歩行ロボットから始まった。2016年の設立後、Goシリーズなどの四足機を研究機関や設備点検の用途に量産販売してきたが、2022年から2024年の年間売上高は1億〜3億元にとどまり、当時は先行する優必選(UBTECH)の10分の1程度の規模だった。
人型への転換は、四足で培った技術をそのまま持ち込む形で進んだ。フルサイズのH1から小型のG1、入門機のR1へと機体を広げるたびに価格を下げ、人型の平均販売価格は2025年1〜9月期に前年同期より3分の1以上下がり、R1系では3万元まで下がった。
転機は2025年の春節番組「春晩」でのパフォーマンスである。認知が一気に広がって商業イベントやレンタルの需要が立ち上がり、2025年1〜9月期の売上高は前年までの数倍にあたる11億5,000万元へ拡大し、赤字だった事業が利益の出る段階に入った。2026年後半には株式上場を計画しており、急拡大した事業を支える体制を固める局面にある。
公開情報で確認できる実装段階を、研究から商用まで5分類で整理する。
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※調達リスクとして、2026年6月に米国防総省が中国の軍事関連企業として指定する「1260Hリスト」へUnitreeが追加された。日本の民生調達を直接禁止する指定ではないが、米国の取引先・投資家・海外拠点を持つ組織では問い合わせ前に影響範囲を確認しておく必要がある。
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